横浜 注文住宅を考える
二OO八年に実現した宇宙基地「きぼう」などは、将来への夢をふくらませてくれる)。
アメリカ視察の日程がすべて終わったあと、私はニューヨークで一行と別れ、ひとりでヨーロッパへまわったのだが、その前に見ておきたいところがまだ残っていた。
「ナイアガラの滝」である。
それは、アメリカとカナダにまたがっている。
まずニューヨークのラガーディア空港から一時間で、ずっと北のバッファローに着く。
そこからリムジンとタクシーを乗り継いで国境を越え、カナダ側の滝の入口を目指す。
はるか彼方に、水煙の上がっているのが見える。
近づくと、晴れているのに、小粒の雨がじゃあじゃあと降ってくる。
滝のしぶきが岸辺から百メートルぐらいのところまで、風で吹き飛ばされてくるのだ。
滝のすぐ傍にあるビルに入って一ドル五十セント払うと、大男用の黒い雨合羽と長靴をよこし、絶対に水を通さぬように重装備する。
まるで、K(K)のできそこないみたいだ。
四人そろったところでエレベーターに乗り込み、八階ぐらい下がる。
ドアが聞いたとたんに、どーっという轟音が耳を打つ。
ほかには何も聞こえない。
暗いトンネルを横にたどって行くと、そこが滝の裏側になっているらしい。
岩盤をくり抜いた出口が三つあり、最初のベランダ風のところで写真を撮ろうとしたけれども、水の柱しか見えない。
一番奥の出口に近づくと、ここはもうジェット機のエンジンに耳をあてているようなものだ。
落下する巨大な滝が、瞬時も止まることはない。
どどーん、どどーんという轟音だけが耳を威圧する。
さすがにここは危険だとみえて、頑丈な鎖で外へは出られないようにしてある。
自殺志願者だって、こんなすごいところでは尻込みしてしまうだろう。
これを「一見の価値あり」といえるのかどうか、私にはわからない。
巨大な規模の滝に圧倒された、としかいいようがないのだ。
ここにいたのでは水の柱と洞窟しか見えないので、再び地上に上がり、滝の全貌を眺めた。
これが、世界の三大滝に接した最初の体験だが、第二、第三の滝を訪れるのは二十数年あとのことになる。
二番目は、南アフリカの「ヴィクトリアの滝」だ。
南アフリカ共和国の玄関口ヨハネスブルクを飛び立つと、一時間四十五分で北隣の国ジンパプエーの「ヴィクトリア・フォールズ」空港に着く。
深い緑に固まれた空港からバスで十分も行かないうちに、早くも遠雷のような音が聞こえてきた。
目指すヴィクトリアの滝だ。
もちろん、これは植民地として支配した英国がつけた名前であって、現地語では「モシ・オア・トゥンヤ(雷鳴の轟く水煙)」と呼ぶ。
この方が実態に合っていて、よっぽどいい。
文明を振りかざす侵略者は昔からなのだ、とつくづく思う。
照葉樹の繁みのなかへ入って行くと、木の聞から、対岸の絶壁をどうどうと落ちる滝が何本も見えてきた。
音も一段と大きくなり、人の声は聞きとれない。
次々に現れる滝を楽しみつつ繁みを抜けると突然、晴天なのに雨が降ってきた。
いや、雨ではない、猛烈な勢いで落下する滝のしぶきが、はるか下から跳ね上がってくるのだ。
これは「ナイアガラ」と同じだ。
ただ、最大の落差が百十メートルだというから、たしかにすごい。
レインコートなど、あまり役には立たない。
こんな滝が何十となく、およそ一・七キロにわたってつづくのだから、当地の人たちが、「世界一だ」と誇りたくなるのも、わからないではない。
そんなことを思いながら、しぶきを吹き上げる滝壷をそっと覗きこんだら、思わずはっとした。
くっきりと虹が出ているではないか。
背景の黒々とした断崖や深緑の葉に映えて、なんと見事なのだろう。
しかも、仰ぎ見るのでなく、眼下に見下ろすというのは、生まれて初めてだ。
さらに一段と深い滝の前まで行くと、今度は虹が二本、同心円を描いている。
虹は必ず一本だという先入観をくつがえす光景で、これも初めて見た。
足もとに二重の虹なんてまるで極楽のような世界ではないか、と思ったとたん、また「世界ごという文句が浮かんできた。
さて、次は「三大滝」の最後、南米の「イグアスの滝」である。
ここへは、ブラジルのサンパウロから入った。
機上から見下ろす下界は、樹海あり山岳ありで豊かな自然に恵まれている。
先に立ち寄ったアマゾンほどではないが、緑が深い。
しかし、ときには枯れがれの山脈も目につき、乱伐による自然破壊のせいではないかと気になる。
やがて、広い河口につづいて再び森林地帯になり、イグアス河の蛇行する風景を、旅客機の窓から見下ろす。
とくに嬉しかったのは、目指す「イグアスの滝」の上で高度を下げ、何度も旋回してくれたことである。
よく晴れていて、眺望に恵まれていたことも幸いした。
ほんとにすばらしい。
文句なく「世界最大だな」と思う。
「フォス(合流点)空港」に着いて、バスで三十分、滝に近づくにつれて雷鳴のような轟きが腹に響いてくる。
バスを降りたとたん、目の前にオオトカゲやアライグマが姿を現した。
小さなトカゲにいたっては、濯木の下から別の木陰へと、ひっきりなしに出たり入ったりしている。
川沿いの道を歩いて行くと、ココナッツのような実のなった木と広葉樹の聞から、何十本もの大きな滝が見えてきた。
滝の奥は緑の濃い自然林になっているらしい。
この地域一帯はアマゾンに次ぐブラジル第二の国立公園で、総面積は一八五・二六六万ヘクタール、四国の三分の二がすっぽり入るほど広いのだという。
いよいよ、滝めぐりが始まった。
絶えず、水しぶきがかかってくる。
「イグアス」とはインディオ語で、「大きい」という意味だそうだ。
まわりはじめて、なるほどと納得した。
ほんとにすごい水量だ。
右を見ても左を見ても滝ばかりで、地球の水がなくなってしまいはしないかと心配になるほどだ。
「落ちる水量は毎秒千五百トン」と聞いたように思うが、定かではない。
辺り一帯は、どうどうという滝の音に包まれて、ほかには何も聞こえない。
ブラジル側とアルゼンチン側と双方から見られるのだが、どこが境界だったのか、全く覚えていない。
そんな、せせこましいところではないのだ、この大陸は。
まず上の方から見下ろし、しだいに中段、下段へ降りて行くと、日の前で乱舞する滝の迫力に圧倒されてしまう。
とりわけすごいのは、「悪魔の喉笛しという愛称のある滝だ。
滝壷からわずか三十メートルぐらいしか離れていない展望台に座ると、ただどうどうという轟音のほかは何も聞こえず、帽子もジャンパーもあっという聞にずぶ濡れになってしまう。
写真を撮ってもらうのにも、手振りで頼まなくてはならないほどである。
この展望台には、ほんとに堪能した。
深さではヴイクトリアに譲るが、日の前からずっと先までの何十という滝を一望のうちにおさめられる点では、ここがはるかに勝る。
または多量の」、つまり「膨大な量の水」しかも、こんなに膨大な滝の天国を、すぐ傍で下から見られるという利点がある。
さらに、全体の規模を見ると、ナイアガラが一キロ、ヴィクトリアが一・七キロなのに対して、イグアスは二・七キロと、断然他を圧倒している。
滝の本数が二百七十本というのも、ダントツだ。
とにかく、島国日本とは全く比較にならぬくらい、規模が大きい。
さて、落差が大きいという点では、日本の滝についても同じことがいえる。
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